・臨界期がなんとなく気になっている人
・臨界期を知って、早く習い事を
させなくちゃ💦と 焦っている親
・既に習い事ビッシリの家庭
子供には臨界期があって、早いうちに習い事をさせた方が良いのか⁉️と焦る親も多いのではないでしょうか?しかし、臨界期には専門家の間でも様々な解釈があるので、1つの視点のみを信じるのは危険です☠️
そこで、子供の専門家として
【こどもの最善の利益】の視点で臨界期について解説します✏️
この記事を書いた人
出典:子育て相談ドットコム
子供の臨界期の重要点の簡易版をつぶやきました↓
今回の記事では、早ければ良いという偏った臨界期の解釈がなぜ、危険なのか?学童保育支援員(以下、支援員)の実体験を踏まえながら解説します。臨界期を正しく理解して、我が子が幸福な人生をおくれるヒントになれば幸いです😊
過度な早期教育は歪な人格形成につながる
支援員として、1年生〜6年生の子を100人以上保育してきました。早期教育に力を入れている家庭の子供は友達に対して以下のこと言う場面を何度もみたことがあります。
なんで
こんな簡単な問題が
わからないの?
何で今の説明で
わからないの⁉︎
バカなんじゃない!
今でも忘れられないのが、1年生の佐藤君と田中君のやりとり。
佐藤君:「鈴木くんが田中君のこと嫌いって言ってたよ」と田中君に直接伝えていたこと。ワザワザ伝えることではないと注意しましたが、佐藤君は100%優しさのつもり伝えていたので
(・・?)
というリアクションでした。子供って怖い🙀
人格形成が未熟なうちに早期教育だけに力を入れていると、学力と引き換えに思いやりや、コミュニケーション能力を失いがちです。無自覚に友達を不快にさせ、自覚できるようになった頃には仲の良い友達がいない・・・なんてこともしばしば😓
早期教育は子供の幸せな人生を願って始める人が多いのに、真逆に働く可能性も多く秘めています。特に、社会生活のスタートとなる小学校で友達関係に躓くと、大変です。
しずかちゃんが
出来杉ではなく
のび太と結婚したのは
人間力(思いやり)と
ドラえもん学で有名な
人間発達学部の横山泰行
教授も言っているよ♪
どうすれば、良いの⁉︎
幼児期において、思いやりを身につけるためには以下の2種類の方法があります。
(ポイントは他人よりまず自分)
- 上手に甘えさせることで、心を満たす
- 新しいこと・苦手なことに挑戦する
上手に甘えさせることで、心が満たされ自然と思いやりのある子やワガママな子になりにくくなります。
→【イヤイヤ期にも効果あり】上手に甘えさせる方法はコチラ
新しいことや苦手なことに挑戦することは質の高い教育を受けるのと同じくらい大切です。
新しいこと・苦手なことをするのは大人でも不安です。しかし、自分の負の感情に向き合う経験は、人格形成において非常に重要です!負の感情に向き合った時間だけ、人は優しくなれます。
苦手に向き合う
時間が大切で克服が
目的ではないので
励ましは必要でも
アドバイスは厳禁です💣
でも、臨界期があるから
将来のために習い事を
沢山した方が子供のため
じゃないの⁉️
学校卒業後の方が
人生長いんだし・・・
疑問なママの意見は臨界期を1つの視点でしか考えていません。次章から臨界期の基本と英語やスポーツでよくある誤解(ウソ・ホント)を世界で行われた実験を元に紹介します✏️
臨界期とは能力取得に適した時期
臨界期とは
生体発達の比較的初期において、ある刺激 (経験) が与えられたとき,その効果が最もよく現れる時期をいう。ある時期を中心にして,その前後の一定範囲をいうが,最も刺激に敏感で,効果の上がる時期を特に最適期とか敏感期と呼ぶことがある
出典:コトバンク ブリタニカ国際大百科事典 小項目辞典より
コトバンクの説明を噛み砕くと、能力を取得するのにベストな時期が臨界期の1つの視点です。
スポンジのように
グイグイ吸い込む
時期ともいえるね🌟
そして、そのベストな時期はいつなのか?を示す根拠としてあげられるのがスキャモンの発育曲線です。
スキャモンの発育曲線とは能力取得に適した時期を現す目安
スキャモンの発育曲線とは?
子供が成長していく中、器官や機能はそれぞれ個々に発達していくとされており、一つの事柄においても吸収しやすい時期としにくい時期があるとされています。
その時期を曲線で示したものを「スキャモンの発育曲線」と言います。
出典:HOS 花園スタジアムより
出典:SGS総合栄養学院より
水色の【神経型】と呼ばれているものが、0〜8歳にかけて急激に伸びているのがわかります。
神経型というのは
脳の発達や運動神経
などのことだよ!
この2つの視点が英語やスポーツのサービスを提供している会社にとって都合が良く、早期教育が盛んに叫ばれている要因になっています。
臨界期とスキャモンの発育曲線はセットにされるが、無関係
ハンバーガーとポテト並みにセット扱いされる「臨界期」と「発育曲線」ですが、それぞれの根拠を発表したのは、人物も違えば、生きていた時代もまるで違います!
臨界期を提唱したのはドイツの言語学者・神経内科医であったエリック・レネバーグ(Eric Lenneberg)です。1967年に「言語の生物学的基礎」の著作物に「臨界期仮説」として発表しました。
発育曲線を提唱したのは、解剖学者のR.Eスキャモンです。発育曲線は1930年に発表されたものです。その根拠は年齢ごとに臓器を計量し、質量の増減を図にまとめたのが発育曲線です。
そんな大昔のことなの⁉️
科学的根拠とよぶには
疑わしいし、2つを
セットにするのは
冷静に考えれば
強引だよね💦
次章から、よくセットにされる「臨界期」・「発育曲線」を単体で考えた場合のウソ・ホントを解説します✏️
臨界期のウソ・ホント(英語編)
・ホント:本場の発音や聞く力を
習得するには若い方が
良いのはホント
・ウソ:言語習得に若い方が
習得しやすいはウソ
(※条件付き)
本場の発音やリスニング力を習得するには若い方が良いはホント
親の言葉遣いを子供が真似して使うように、「発音」や「リスニング力」に関しては1度間違ったものを覚えると修正するのは苦労します。
この点のみが暴走して【英語は幼児期からやった方が良い】という風潮や学校教育も【英語学習の低年齢化】が進んでいるのが現状です😥
発音・本場の英語を聞き分けられるリスニング力に関しては、ホントですが本場の発音やリスニング力が求められる大人は極一部の人だけです。
幼少期から通訳者や宇宙飛行士など明確な目標がない限り、英語学習は幼児期から💦と焦る必要はないとバイリンガリズムを専門とする立命館大学の田浦秀幸教授がこどもまなびラボのインタビューでこたえています。
英語を
ネイティブに話せる人は
全体で25%という
データもあるよ
ネイティブな発音やそれを
聞きとれるリスニング力は
ほぼ必要ないってことだね💦
日本の環境で英語習得に臨界期があるはウソ
日本の環境では
英語習得に臨界期はない
(日本はEFL環境だから)
言語習得には、臨界期があるから早い時期から勉強した方が良いというのを聞いたことがある人が多いと思います。この結論は、【EFL環境にある日本での勉強】では間違いです。
EFL環境ってなに?
EFL環境とは母国語として使っていない環境のこと
EFL(English as a Foreign Language)とは習得する言語と日常で使用されている言語が異なる環境のことをいいます。
習得する言語と日常で使用される言語が一致している環境をESL(English as a Second Language)環境といいます。
臨界期があるのは、ESL環境の方です!
母国語の獲得や
留学をするなら
若い方が良いというのは
ホントと覚えておこう♪
バルセロナ要因プロジェクトでも早期教育が有利という結果はでなかった
バルセロナ要因プロジェクトとは、日本のように英語を母国語としないスペインで行われた調査です。
英語学習年齢を8歳・11歳・14歳・18歳の4つのグループに分け、学習時間を200時間・416時間・700時間の時点でテストをしました。その結果は、18歳で英語を学び始めた子の方がリスニング・スピーキング・発音の平均点が高かったというがわかりました。
早期教育として英語を習得するには1500〜2000時間が必要といわれるデータもあり、学習時間が不十分という指摘もあります。しかし、日本の環境で英語を身につけるのは相当な労力と覚悟が必要なことがわかります。
日本の英語学習の時間数↓
出典:CGID 2017・2018年(平成29・30年)改訂の学習指導要領における小中高の英語の授業時間より
仕事で使える程の英語を
習得するには学校の
2〜3倍家庭で
頑張らないと
いけないってこと⁉️
小学校の157時間も
英語に親しむ目的が
強いから、相当な覚悟が
必要だよ💧
ただし、このデータの結論は、「仕事で使用できるほどの能力獲得には」という前提条件があり、英語を学ぶことが無駄という解釈は間違いです。
第2言語を学ぶことは、パズルのように言葉を論理的に組み替える力が養われます。英語学習で培われた論理力は、人生においてプラスになります。
・日本の環境(NFL環境)では
第2言語における臨界期はない。
・高レベルの英語獲得を目的とした
早期教育には覚悟が必要。
(早期の留学(NSL環境)が1番効率的)
参考文献:On how age affects foreign language learning*(Monoz,2010)
次章から、スポーツにおける発育曲線の
ウソ・ホントに入ります✏️
スキャモンの発育曲線のウソ・ホント
・ホント:運動能力が伸びやすい
「ゴールデンエイジ」期はある
・ウソ:ゴールデンエイジ期に1つの競技に
専念した方が良いはウソ
運動能力が伸びやすい「ゴールデンエイジ」期があるはホント
ゴールデンエイジ期とは
出典:Fungoal ゴールデンエイジとは?子供の運動神経がググっと伸びる黄金の成長期より
子供の身体能力、運動能力が著しく発達する時期のことです。具体的には5~12歳(年長~小学6年生)の期間。体の動かし方、動作、技術を短時間で覚えることができる、一生に一度だけの貴重な年代をゴールデンエイジと呼びます。
同サイトによるゴールデンエイジ期の説明の表がこちら↓
出典:Fungoal ゴールデンエイジとは?子供の運動神経がググっと伸びる黄金の成長期より
出典:SGS総合栄養学院より
ゴールデンエイジ期は、発育曲線が元となっているのがわかります。ゴールデンエイジ期を例えるなら大人のあなたも久しぶりでも自転車に乗れますよね?それは、ゴールデンエイジ期に自転車に乗るという経験を獲得したからです。
仮に20歳から自転車の練習を始めて、10数年後に再び乗る場合は、乗れるようになった時の感覚を思い出すのに時間がかかります。ゴールデンエイジ期の運動経験は一生モノということがわかります。
ゴールデンエイジ期の
元になっている
発育曲線には
欠点もあるから
紹介するね!
発育曲線には質は度外視という欠点もある
発育曲線を発表したスキャモンは解剖学者であって、スポーツドクターではありません。そもそも、発育曲線を発表した1930年にスポーツ医学という概念があったのかさえあやふやです⚠️
(一応調べたら古代エジプトが起源らしい😅)
発育曲線は解剖学者の視点なので、「量」の増減の比較であって「質」は度外視されています。例えるなら、歳を重ねてもグータラな人もいれば、若いけど優秀な人もいるのと同じで、量(年齢)だけでは、判断できないのと同じです。
また、獣医に人間の手術を頼むのは怖いのと同じように、解剖学をスポーツ医学にそのまま当てはめて良いのか⁉️という疑問もあります。
結論として
オリンピック選手を
目指すなら
ゴールデンエイジ期は
逃せない!くらいの感覚が
ちょうど良いよ!
英語と一緒で相当な
覚悟がある家庭のみ
気にすれば良い
ってことだね★
ゴールデンエイジ期に1つの競技に専念した方が良いはウソ
自転車を例に出したように、ゴールデンエイジ期に大切なのは様々な経験を積むことです。
支援員として働いていますが、サッカーが全国レベルの5年生の子が学校の体力テストで握力とハンドボール投げが小学2年生レベルというチグハグな発達をしているという実例もみてきました。
優れたスポーツ選手は、身体の能力をフルに使い、ベストなパフォーマンスを引き出すことで結果を出し続けます。歪な発達のままでは、大人になった時に通用しません。
野球の大谷翔平が良い例で、ピッチャーでもバッターでも成績を残すという歴史的伝説を達成しました。その要因は、ピッチャーの経験とバッターの経験の相乗効果(様々な経験のおかげ)とも考えられます。
それを実行する
精神力は並大抵の
人では無理だけどね
脳科学者で運動保育士会理事長の柳沢弘樹さんも以下のことを述べています。
「親が子どものためにできることは体操、水泳、野球ダンスなど色々なスポーツをたくさん経験させる中で、「どれが楽しかった?」と子どもに聞いて、やりたいものや得意なものから挑戦させてください。」と述べています。
続けることに固執せず
辞めることも将来
人生の大きな決断をする
ための大切な経験とも
言っています。
月謝を払っている
親心としては
続けてもらいたけど
必ずしも子供のために
なる訳じゃないんだね
ゴールデンエイジ期で1番大切なのは「遊び」
勝利至上主義が問題となって、全日本柔道連盟も小学生の全国大会が2022年に廃止されました。何事もそうですが、バランスがとても大事です。1つのことに熱中するということ自体は、とても素晴らしいことですが、貴重なゴールデンエイジ期の観点からだとモッタイナイです!
複数の習い事させるのは
子供や親にとっても
負担だし
どうすれば良いの?
ゴールデンエイジ期を
最大限に活かすなら
【遊び】を活用しない
手はないよ!
「子供の仕事は遊ぶこと」という言葉あるように、子供にとって遊びはゴールデンエイジ期の観点だけでも非常に重要です。(遊びをテーマに15分の自主制作映画を作った経験もあります)
スポーツにはベストな型があり、その理想の型に沿って上達していきます。その弊害が、チグハグな発達に繋がります。一方、遊びは様々な種類があり、型もないので全身の発達の観点において最高の栄養です🍙😋
まとめ
ツイートにもあるように「臨界期=旬」くらいの認識でOK👍
周りが習い事をしているから💦と焦る必要はありません。(悪徳教育会社の思うツボです😱)様々な経験をさせていくなかで、子供が本当に好きなモノに出会える方が100倍幸せです✨
しかし、臨界期と発育曲線は別物なのに、塾やスポーツクラブにとって都合がいいから、セットにされているとあったように、情報を都合の良いように切り抜きしている人はたくさんいます😓
1つの視点のみを信じることの危険性が、伝わったでしょうか?これからも、子供とその親にとっての最善の利益となるような情報を発信していきます。少しでも参考になった人は、ブックマークやTwitterのフォローをお願いします。
最後まで読んでいただき
ありがとうございました♪
参考文献:英語教育における EFL と ESL の違いについて(沖原勝昭の論文より)
なぜ日本のスポーツでは間違ったフィジカル知識が蔓延するのか?(VICTORYより)
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